生きていく、道は違っても

生きていくうちに、
もともと思っていたのとは違う道を歩いてしまうのは
よくある・・、いやむしろ、ほとんどの人がそうかもしれない。
親兄弟が海に沈んだとき、自分だけ助かった相羽と
お嬢様三姉妹だったのに芸者になった珠生(たまき)が
たどる道も。
この本は、表紙から想像するより骨太で壮絶でした。

 

幸も不幸もある長屋の人々の人生

登場するのはおもに「どぶ猫長屋」と呼ばれる長屋の人々。
中でも12歳の少年4人と、
突然現れる14,5歳の少女が主人公だから、
ヤングアダルト小説としてもおすすめかもしれません。

貧乏だけど明るいどぶ猫長屋の
毎日の暮らしが描かれるいっぽう、
過去の殺人事件もからみ、
不幸に命を落とした人の存在がからんでくる。

少年たちは、なぜか交代で幽霊の気配を感じる役回りになり、
しかも、出て来る幽霊は一人ではなく
場所もさまざま。

さいしょは、自分たちと同じ年頃で
殺されて床下に隠されていた榮三郎という少年の幽霊に
足をつかまれて床下に引き入れられそうになる忠次の体験。
次はいったい誰がどんな幽霊に遭遇するのか。

だんだん調べていくうちに、
一見関係なさそうな別々の幽霊たちには、
実は隠されたつながりがあることが
解き明かされていく・・

江戸の長屋周辺の人々の息づかいが感じられて
ミステリーとしても楽しめて
各年代の人がそれぞれの味わい方をできる小説だな~と思います。
どうなるのか、とにかく先を読んじゃいたい! という感じです。

 

自分がどうしたいか、に素直に生きる

周りをきにしすぎて、自分がほんとうはどうしたいのかを
見失いきっている人、いませんか?
わたしがそうだと思いました、この本を読んで。

レストランなどにはいっても、
ついつい店の人の立場で考えすぎてしまって
なにか足りないものがあったり
失礼なことをされたりしても
しょうがないな、と胸にしまって
口に出さないです。
相手のほうを優先して、自分の気持ちは
我慢すればすむことだ、と思ってしまう。

何かを決めるとき、自分の感情はどっちを向いているかを
もっと見なければ。
迷うとき、「どうするべきか」でなく「どうしたいのか」に
もっと気づかなければ。

悩むのは、自分を愛し足りないから、
っていうところを読んだときは、
ちょっと泣きそうになりました。

わたしはいつも
「もっと相手が快適になれるようにできるはずだろうが、わたしではできない」
「もっとすごいことを相手は期待しているのだろうが、わたしではとても無理だ」
という思考回路で生きている。
いつも自分をだめなものと決めつけている。
いつも心の中で周りの人すべてにあやまっている。
だからいつも辛い。

このページはとくに良かったです。
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リラックスして「わ・た・し・は」と言う。
わたしがここに在る、ことを大切に思って
「いまに生きる瞬間瞬間の私」を愛する気持ちを持つのです。

そして、少しショックだけど、至極もっともなことに気付かされました。
どんなに善人であっても、罪悪感が強い人は幸せになれない!
ということです。
わたしは今まで、これにあてはまっていたような気がします。

また、相手に協力を求める、頼む、お願いする、助けを求める
そういうことをできるようにしたほうがいいんですね。
自己評価が低い人ほどそれができないそうです。
そうかもしれません。

今から、わたしも、もっと自分を愛し大切にして、
「どうすべきか」を基準にして我慢して生きるのでなく
自分がどうしたいか、に素直になって生きたいです。

 

初心者がワードプレスでウェブサイトを作るとき役立つ本


サーバーにかんたんインストール機能がついていると
だれでも難なくブログやホームページができる、と
人は言うけれど・・
慣れている人には当たり前のことが
初心者には、当たり前にはわからず、
行き詰まってしまうことも多いです。
だから、手とり足とり教えてくれる誰かがそばにいてくれると
助かります。
そういうふうに、次はこう、次はこう・・
という感じで導いてくれる本がこれだと思います。

この本のとおりに画面を進めていくと
ワードプレスのサイトを作り始めることができます。
さらに、必要な機能を付け加えて
サイトの骨組みをつくるところまで一緒にやってくれます。

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1章でワードプレスとは、から始まって、
独自ドメインでWEBサイトが表示されるように設定するところまで行きます。
(さくらインターネットを例にとっています。)
ネームサーバーの設定は、こういうふうに手順を教えてもらわ初めてだとどうしていいかわからないと思います。
わたしはそうでした・・

2章でインストールからもろもろの初期設定、
3章でデザインの大枠をあらかた決めるところ、
4章でコンテンツを固定ページに割り振って決めるところ、
5章でナビゲーションとウィジェットやフッター、
6章でいろんな機能を追加できるプラグイン
そして、
7章では、アクセス解析とSEO、ソーシャルメディアとの連携も解説して
8章では、バックアップやセキュリティーについて

初心者に最初からひととおり説明して
実際にサイト作成ができて
出来上がったサイトのバックアップのやりかたも教えてくれています。
わたしは、自分のブログはかんたんインストールで作ったことはありましたが
友だちや家族の仕事に使うウェブサイトを作ることになって
改めてこの本を購入してやってみました。
実際に運営しています。

8章のバックアップのやり方は、
一度原因不明でサイトが表示されなくなってしまったとき
たいへん役に立ちました。
転ばぬ先の杖、と言われても、ついつい先送りしてしまうバックアップですが
やっておくと、青くなったとき救われます・・・
思い出したくないけど・・・

手取り足取り、っていう感じに教えてくれて
このとおりにやればウェブサイトが作れる、という本だと思います。

ローカルにインストールしたワードプレスで作り込んでからアップロードする
っていう方法が本当なのかもしれませんが、
初心者にはそれはハードルが高いので
かんたんインストールで作れる範囲で、っていうのは
現実的な対応だと思います。

死ぬまではたしかに生きよう

みじかい話が7つ。
どれもテーマが生きることにつながっている。
壮絶な逸話ではない。
・・・けれど、壮絶に感じられない書き方をしているだけなのかもしれない。
そこにひそむ真実は、壮絶そうな逸話よりはるかに深いようにも思う。

「クマのあたりまえ」で
足をかいて歌って食べて寝てにいちゃんに会えること
が、あたりまえのこと、
でも、ひとたび失われると二度と手許にもどってこない。かわいい2頭の後ろ姿は
ひとたび失われれば永遠にこの世にないものになる・・

「朝の花火」なんか
きわめてのんきな雰囲気のうちにお話が進むけれど
ああ、人(じゃないけど)って、
こんなに心が高貴なのかもしれない、
という
美しいがゆえの、底知れないはかなさが
おもいっきりにじみ出てくるお話です。

 

 

自分のやろうとしていることに自信をもたなきゃ

本屋。
本屋は、いいところです。
本屋には知があって、
そこにいる人はきょう、知識に続く道を歩き始めることができる。

あたふたとやたらに急いで行動することのほうが
それより大切だということがあろうか?

本屋は本や雑誌を買い求めるためだけに来るところではない、
ってほんとうです。

黒人が書いた黒人のための本を売る店をやっていた
ルイス・ミショーの生涯を
調べに調べて書かれた本。

ずいぶん理解がある白人だって
「わたしたち」と言って、
黒人を外(上)から見る目を持つことに変わりなかった。あるいは現在も。

最初の40ページほどはわたしにはあまりおもしろくなく、
ルイス44歳、本が5冊と店、お金が100ドルで本屋を始める、
っていうところからおもしろくなった。

最低限の、「本を読まなきゃだまされる」っていうところから始まり、
本を読むことで得られるほほえみは胸を温めてくれ、
涙は心を洗ってくれる・・
というところへ来る。

ミショーさんは
すさんでいる人には
話をしたり、座らせてページを開けて見せたりして
心を耕していくこともあったという。

生きるって、辛いことばかりだけど、
本とともに暮らして進んでいくんだ。
(一般論でもあるような自分への呼びかけであるような)

知識が不要なときなどない。
本を読んで
まず自分の考えに、次に自分自身に自信をもって
生きていこうよ。

語り手がいろんな人に変わる手法で
イラストも多いので読みやすい・・

 

いつどこでも「ふつうの」感覚を

東京ディズニーランドは、
アミューズメントパークとして有名なだけでなく、
そこの仕事の流儀のようなものも
かなり徹底していて有名ですね。

フィクションなので、ほんとうの話だと思っては間違えるんですけど
「そうだろうな~」
ということが描かれていて
ついつい実話と錯覚してしまう・・

ミッキーの着付けが、
武将が鎧を身につけるかのような緊迫感とともにおこなわれるなどは、
ショーやパレードが楽しければ楽しいほど、
それとは反比例して舞台裏は厳しいものなのかもしれない、と思わされます。

新入りの後藤が
「ふつうの」感覚のまま仕事をしようとする姿勢が
さいごには受け入れられてよかった、と思います。

誠意をもっておこなえば、わかってくれる人が必ずいる、と思えて救われます。

それにしても、ミッキーマウスの着ぐるみがこんなに重要なものだって
一般人のわたしはぜんぜん知りませんでした。
着ぐるみ紛失の顛末を読んでみてほしいです・・

 

心で見る人が増えるといいな

オーガスト・プルマン。顔に障害がある男の子。

見かけがちょっとでも変わってると、とやかく言ってまず排除する、
っていうことが世の中多い。
もっとうがって考えると、
変わってなくても、新しく入ってきたものはまず排除、
っていうこと(人)が多いかも。

気分がネガティブになっているときは、
そういう思考回路になって、世の中がいやになったりする。
けど、そうじゃない人たちもほんとうは少なくない・・

その一人、オーガストのママ。

「いつどこにでも意地悪な人っているのよ。
でも、いい人がお互いに見守ったり助けあったりしているの。」

こう思って毎日を送りたいもんです。

学校でほとんどの子が彼を汚いもの扱いするなか、
そんな子たちの気が知れない、
っていう感覚を持ち続けられる子がいる。
サマーという女の子。
この子が突破口になったことが大きかったのだと思う。

動物の純真さ、人間に与える安らぎも描かれていました。
オーガストの家のデイジーは、ホームレスから20ドルで買った犬。
家族で心からかわいがっています。
犬と人間が互いに、与え、与えられている感じです。

最初の100ページくらいまで、
それほどおもしろく感じないまま読んでいるうち、
そのあと、はいり込んでいきました。

『二日月』も、きょうだいがしょうがいを持っているお話で
この『ワンダー』と共通な部分があります。
障害を持つきょうだいをみんなに見られたくない、と心のどこかで思う気持ちも描かれています。
丘修三『ぼくのお姉さん』というお話も思い出しました。

子どものときのふしぎな体験は多いほうがいい

小学生のダイキが兄といっしょに、
久しぶりに沖縄のひいばあちゃんの家を訪れた。
外で遊んでいたある日、ふしぎな少年に出会うが、
なぜか少年の姿はダイキにしか見えない・・
少年といっしょに迷い込んだ未知の世界に
いた人たちはだれなのか?
ふしぎな体験は子どものときにたくさんしたほうがいい。
いっぽう、おとなになってからもふしぎな体験をできるようでありたい・・

 

動物は気高い・・人にはとてもまねできない

町に近い山に住む犬たち。
「野犬」は、今や
もともと野犬だった犬たちだけではないらしい。
人に飼われていた犬が野犬にならざるをえない場合がある、
という、やりきれない事実を含んで話は進む。
犬どうしのつながり合いは、
動物としてあたりまえのことなのに、
われわれ人間から見ると
崇高
に感じられてならない。

「片目の青」は、そういう犬の一匹。
決して人に心を許さない。
そうなる理由があったから。

いったいこの話を作者はどうやって
終わりに導くんだろう?
と思いながらやめられなくなって読み進んでいく。

おとなの悪いところは世慣れているところ、
みたいに言われるけど、
(心ある)おとなは
世の中が自分の思うようは行かないってことを
知っているだけなのだ。
それをなんとか折り合いをつけようと苦しんでいるんだよね。

動物たちの無心さ、気高さ
人間のどうしようもなさ、
それでもなんとかやりきれなさに耐えて
生きなければならない葛藤

ってものを身近なところを舞台に描いています。

動物を愛する人のピュアな心が
多くの人に広がるといい。