人とのつながりが喜びをつれてくる

敗戦がわかって
旧満州の奉天で、安全な場所をさがして逃げる途中、
父と同じ会社で働いていた中国人、徐集川(じょしゅうせん)さんに
ばったり会い
物置の屋根うら部屋に住まわせてもらった。

この偶然がなければ、
ちばてつやさんが漫画家になることはなかったかも、と言う。

徐さんだってもし日本人をかくまっていることがわかれば
大変なことになるわけで、
命がけとさえ言える。
それでも、仲良くしていた日本人の家族をなんとか
逃してやりたいと、屋根うら部屋においてくれたわけです。

「日本人」とか「中国人」とか
一般名詞として全体を考えるだけだと反感を持つかもしれなくても
「ちばさん」「徐さん」という
知っているその人、となると、べつの感情がわいてきます。

ちばてつやさんは漫画家として有名な人ですが、
有名になるまでの、また、有名になってからのも、
いろんな失敗や苦い思い出や悔しい思い出も書かれていて、
そこがいいです。

冷たい人、騙すようなことをする人もいる。
いっぽうで、
連載が2つ重なって、一つを途中で人にまかせてしまったとき、
最終回にちばさんの名前も入れて
「あつくおれいをもうしましょう」と書いてくれた編集者の人の気持ちに
涙が出た、、という話がある。

そういう人のおかげで、漫画家ちばてつやさんがあるんだな、と。
有名な人でなく、わたしたちの人生のまわりにも、
いろんな人が現れては消えていく。

いやなことも多いけど、
喜びをもってきてくれるのはやはり、
人とのつながりなのかもしれないな。


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みんな秘密を抱えて生きている

「できることはできる、できないことはできない
って自分で区別すること。」
美容院のナオコ先生が12歳のまゆ子にこう言う。

実践するのがむずかしいけど、
気持ちが楽になるという面もある。

がんばっちゃう人、
自分でなんとかしなくちゃと思いすぎる人には
妙薬になる言葉かもしれない。

そういうナオコ先生自身も、
まゆ子となかよしになった年上の女の子サワちゃんも、
サワちゃんと血のつながってない弟の颯太も、
まゆ子の母の里美さんも、
みんな、今までに人には話しずらい秘密を抱えてる。

すっからかんに秘密のない人なんて
つまんない!
ぐらいに思って、
自分の過去の暗さも今の悩みも
そういう中のひとつに過ぎないんだな、
という気になったりします。