アメリカ児童文学の300年の歴史を見渡す500ページ 『アメリカ児童文学の歴史』

アメリカ大陸に渡ったヨーロッパ人たちが
「読むこと」を大切にしたのは、なんとなく想像できる。
聖書を読み信仰を深め、神による救済を求めなければ
生活そのものが成り立たなくなるかもしれない
暮らしだったはずからだ。
精神を鍛錬し、教育制度を確立させなければ、
社会の秩序が保てない急務だったはずだ。
アメリカで本を出版し
図書館で多くの人が読むことを可能にするのは
日本のような国より不可欠だったのだろう。

松岡享子さんがボルチモア市の公共図書館に勤務していらしたことを
読んだことがあった。
日本ではまだまだ図書館の数が少なかったころ、
アメリカでは、子どもたちが本に親しむ環境がはるかに整っていたようだ。

そんなおぼろげな知識があったので、
「アメリカ児童文学の歴史について読んでみようかな」と思い
題名で探してこの本に行き着いてみると、
なんと、大部の分厚い専門書と見える本だった!
「自分には難しすぎる」と感じて気持ちが引けたが
せっかく見つけたのでいちおう、借りてきました。(笑)

内容を詳しく読み込むことはできませんが
(専門的で詳しすぎて)
植民地時代から始まってハリーポッターで終わるまでを
飛ばし読みしつつページを繰りました。

児童図書週間という行事が1919年に初めて開催されたとありました。
また、世界で初めて児童図書編集部がマクミラン社にもうけられたとも。
日本で言えば大正時代。

児童文学作品の書かれた年代について
あまり考えていなかったことを認識しました。
つまり「この作品、そんなに古かったんだ~」
なんて感心するものがありました。
『ホビットの冒険』
『かもさんおとおり』
『ひとまねこざる』
『ちいさいおうち』
『ぞうのババール』
などです。

アメリカ特有のことも知ってなるほどと思いました。
メイフラワー号でアメリカに最初に移住してきた人びとが到着した場所は
コッド岬だということをはじめ、
アメリカ史上意義あるできごとをとりあげた子ども向けシリーズを
刊行しようという動きのこと。
「史跡」シリーズとして店に特設棚ができるほどになったとか。
日本の歴史シリーズは漫画で何シリーズもありますが
あのへんの本を連想しました。

やまねこ翻訳クラブ会員の方が翻訳しています。

日本の児童書の歴史っていうと、どんなふうになるのかな。
どんな本があるのか、今後調べて読んでみたくなりました。

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