くまの子からの手紙を、泣きながら読むうさぎの子 『森に学校ができた』

うさぎは冬眠しない。くまは冬眠する。
「ぼく、ぜったい冬眠なんかしないから」と言っていたくまの子・ダンは
「もう眠くて学校に行けません」とうさぎの子・ジャッキーに手紙を書きます。
ジャッキーは、その手紙を泣きながら読むのでした。
そのことも、なんて罪がないんだ! と感動しますし、
さらに、
泣きながら読んでるジャッキーの挿絵があるんだけど、
その絵が、なんとも言えず情感あふれてすばらしいんです。
「人生は生きるに値する」ということを十二分に感じさせてくれます。
(動物だけど 笑)

森に学校ができたきっかけもすてきだし
毎日そこで習う内容も、生きるのに欠かせないことばかり。
学校ってそもそもこういうところじゃなかったのか? なんて
よけいなゴタクまで言いたくなるような。

キノコ採りについて習った日、リスのチャップが
さっそく実践して成功と失敗を体験するお話も、
だれかに話して聞かせたくなります。
翌日食べた大きなキノコには、
チャップが崖から滑り落ちたときについた
大きなへこみがついていたんだよ~!

6つの章があって、6つの種類の動物の子が主人公になります。
それぞれに苦しいことや悩みがあって、
ほんとにけなげな「人生」の断面が切り取られて描かれています。

子ども用の童話、と軽く扱っちゃあいられない気持ちです。

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