「知るは人生を楽しくします」
と言われても、
「そうかな~」「べつに~」
と思ってきました、2,3年前までは。
だんだん考えが変わってきたのは、
学校図書館で働き始めて、ある元校長先生のお話を聞いてから。
「『どうでもいいこと』を端緒に、話がふくらんだりはずんだりするよ。」
「どうでもいいこと」は、それ自体はどうでもよくても
人と人をつなぐきっかけを作り出す、って本当かも。
そんな伏線があって手にとった本。
そうして読んでいる間のあるとき、
NHKカルチャーラジオ文学の世界
「カリスマ講師に学ぶ近代文学の名作」
っていう番組を聞いたんですよ~
そうしたら講師の出口汪さんがプロローグの回に、
文学作品がその人にしみこんで
だれかと会話したときに
人間性とともに外に現れてきたり
ほかの話題のときに関連づけて出てきたりする
そういうのが教養というんだ、
っていうようなことを話していました。
読んだらその内容が
どうやって自分の血となり肉となり
心の中で醸成されていくかがだいじで。
醸成されたことによって人生が自分にとって
楽しくなる、ってこと。
生活で負けそうになっても負けないで生きていけるってこと。
おおげさなようだけど、そうやって生きていくんだと思う。
インターネットと紙の本についてふれたところがあって
なるほどー、と思いました。
知識を取り入れるとき、今では
インターネットで検索するのがいちばん手っ取り早い。
それで済む場合も多い。
ただ、情報の見せ方が均質的なために、
どこが重要でどこが重要でないかを判断しにくいというのです。
書籍のように背表紙や本の作りから
専門的だとか一般向けだとか判断できず、
書体が同じで難易の別が取り払われてしまう。
インターネットで情報をとる利点と欠点はそれぞれ言われているけど
この欠点は見過ごされやすいです。
時間を大量に使って得るものが少ない、ってことに陥りやすい。
ところで、
「初対面なのに話しやすい人」
という章があって、
最近そういうことを実感したわたしは、
『雑学の威力』にそういう章があることが
妙に納得がいったのでした・・・
(「本が好き」の読書会では、初対面なのに話しやすい方々ばかりでした!!
ありがとうございました。)
人とコミュニケーションをとる際には、
相手の話に積極的に耳を傾け、ひっかかる点があれば
どんどん質問してみると、
思いがけず面白い会話が開ける、というわけです。
一期一会、新しい縁が開ける、
そういう機会を作れると有意義な時間を過ごせますものね。
そのほうが生活が楽しい。
気に入ったことば
「耳の穴を『ON』にする」・・・いろんな場面で使えそうです。
意識していなかったこと
「日本は図鑑先進国」・・・日本ほど図鑑が美しくて充実している国はないそうです。
やく家の書架にはかなりの種類の図鑑群が所蔵されているようです。
「自分は変わり者だ、あまりしゃべらずおとなしくしていよう。」
と、思うときも多いのですが、
この本を読むと、
相手をちょっと選べば、
しゃべってもだいじょうぶ、と思えました。(笑)
雑学好きは、人にも物にも偏見少なく
コミュニケーション上手なんだ!