植物や動物や風・水などが発するものを
感じ取ることができる力が
備わっている人とそうじゃない人がいるとしたら。
自分はどっちかな。
「クサヨミ」は、植物から何かを感じ取る人のこと。
中学に入学したばかりの剣志郎は、
学校にある古いタラヨウの木に触れると
その木が過去に遭った事実が見えることに気づく。
あるとき、炎に包まれる学校と、
桔梗という名の寂しげな少女の姿が見えた。
過去に自分もクサヨミであった理科の先生にそれを見抜かれ
雑草クラブに誘われたことから
剣志郎は、自分がクサヨミであることを知る。
さまざまな植物に触れて、
見たこともなかった光景の中に立っている自分を
感じるようになる。
さらにパワーが高まったときには
植物が材料になったタオルや畳に触っただけで・・。
同じようにクサヨミである2年生の希林とともに
植物からのエネルギーを感じつつ
不可解な経験もかさねていく。
そして、クサヨミ能力全開のとき
タラヨウの木に触れたために
学校を包む炎の真っ只中に入り込んでしまう。
学校の記念誌から、
そのとき校舎は全焼したことがわかっていた。
そこにはあの少女もいて
大勢の人とともに逃げ惑っていた・・
21世紀空想科学小説 と銘打ったシリーズの一つです。