幸も不幸もある長屋の人々の人生

登場するのはおもに「どぶ猫長屋」と呼ばれる長屋の人々。
中でも12歳の少年4人と、
突然現れる14,5歳の少女が主人公だから、
ヤングアダルト小説としてもおすすめかもしれません。

貧乏だけど明るいどぶ猫長屋の
毎日の暮らしが描かれるいっぽう、
過去の殺人事件もからみ、
不幸に命を落とした人の存在がからんでくる。

少年たちは、なぜか交代で幽霊の気配を感じる役回りになり、
しかも、出て来る幽霊は一人ではなく
場所もさまざま。

さいしょは、自分たちと同じ年頃で
殺されて床下に隠されていた榮三郎という少年の幽霊に
足をつかまれて床下に引き入れられそうになる忠次の体験。
次はいったい誰がどんな幽霊に遭遇するのか。

だんだん調べていくうちに、
一見関係なさそうな別々の幽霊たちには、
実は隠されたつながりがあることが
解き明かされていく・・

江戸の長屋周辺の人々の息づかいが感じられて
ミステリーとしても楽しめて
各年代の人がそれぞれの味わい方をできる小説だな~と思います。
どうなるのか、とにかく先を読んじゃいたい! という感じです。

 

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