5つのおはなしの中のひとつ、「風」。
この絵の女の子が乗るブランコの縄の上のほう、
木の枝のところにいる人かげ。
幽霊じゃない。
こういう人かげが、だれにもあるのでしょう。
ずっとあとになって気がつく人もいれば
永遠に気づかないまま終わる人もいる。
人の一生は、始めがあって終わりがある。
そのあいだに、いろんないろんなことがある。
ただそれだけのことなんだ、って
気持ちがふわっと楽になる。
こういう「名作童話集」というような本って
どういうときに手に取るかなあ?
「ふとしたとき」としか言いようがないかなあ?
目的のない読書をしようと
フラッと本屋や図書館に寄ったとき?
なにげない瞬間に、
フッと、隣りにいる何か親しい存在を感じて
生きるのが心楽しくなる、
そんな気分を連れてくるおはなしが5つ、ならんでいる本です。