生きにくいけど生きていく全大人に 『子どもの自分に会う魔法』

映画 「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」 を見た帰りに、
地元の図書館に寄った。

ディキンスンの詩を読もうとしたのだ。

で、関連の書架を見て移動しているうちに、
このタイトルを見て、手にとり、適当なページを開くと・・
86ページ 『エミリー』の紹介ページだったのです。

『エミリー』は絵本で、
エミリ・ディキンスンのことを書いた本なのです。
この本自体は、ぜんぜんディキンスンの関連書ではないのに
手にとって開いた途端、こちらの心を見たかのように、
きょう見た映画の主人公の本が出てくるなんて!
偶然の一致に、わたしとしてはかなりびっくりしました。

『子どもの自分に会う魔法』は、
「大人になってから読む児童文学」というサブタイトルがついています。
MOE連載をまとめたものだそうです。
表紙が酒井駒子さんの絵で、いい感じなんです。
筆者も感激したそうです。

今、本が好きだけど、
児童向けの本をどのくらい読んだか?
と思い返してみる。

1960年代、70年代に子ども時代を送りました。
べつに親が本好きだったわけではなく、
図書館が多いわけでもなかった環境。
近くの公民館に本棚がひとつあって貸出していました。
怪盗ルパンシリーズを借りてけっこう読んだ記憶があります。

子どもだった自分について思い出すことは
あわただしくて、あまりない。
ふとした隙間の瞬間に、頭のすみを横切るくらい・・
そんな中、子どもの本は、
大人になった自分と子どもの自分の架け橋なんですね。

「大人の心」と「子どもの心」のかけ橋、と
著者が言っていることに賛成です。

自分の心が、今のようになっている要因として、
読んだ本たちが大きく影響していることに気づきます。
良い本たちのおかげで、今こうしてなんとか生きているんだな、と思う。

子どもの本は、大人も読むといいものばかりだと思います。
紹介されている本の一例は、

あおい目のこねこ
人とちがっているのをあざ笑われるけど・・

100まんびきのねこ
ねこでいっぱいの丘から全部のねこをつれて
帰ってきたおじいさん、
さいごに1ぴきだけ選んだのは・・

手ぶくろを書いに
よあけ  柳宗元の詩から着想して描いたんですね。
チリンのすず
悲しい本
くまさん(まどみちお) なんでもないことが大変なことなのだ
長い長いお医者さんの話
など。

子どもも大人も、生きるのはたいへんだけど、
自分をつらぬきとおして生きていくのです。
なんとかして。

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