50年後に、同じ名の人が書いた本を、買いました。
これです。
左が、50年前、先代のときに出た本。
2016年の11月に、当代の八千代さんの本が岩波書店から
出ていたことを知り、購入しました。
並べてみると、感慨深いものが・・。
舞の修行の苦しいことには当然触れてありますが、
それだけではなく、
小さいときのこと、
祇園で育った環境のこと、
みずから「呑気なお嬢さん育ち」とおっしゃるように、
能と舞の家族の生活のこと、
気取りなく、ざっくばらんな口調で書かれてあります。
先代八千代さんと3代目八千代さんの写真では、
なぜか先代八千代さんが、猫を抱いていて、
3代目の後ろに犬が写っています!
先代は昔飼っていた猫が自分で戸をあけるのが
怖かったせいか、動物が苦手だったというけど、
この猫が、くだんの猫かな~?
・・・まったく話がそれてますが。
18代目勘三郎さん、そのあと三津五郎さんまで
お亡くなりになったときは、しばらく気持ちの整理がつかなかった、
とあります。
同世代として、やはりそうですよね・・
いろんなところに散りばめられた芸のお話は、
肉声から出るものだけに、
とても、深く、素人にもたいへん勉強になります。
「一人の女の物語が仄見えるような舞でありたい・・」とか、
観客の側からしても、納得させられる気がします。
章立てが細かくされているので、
自分の興味あるところから読めますし、
語り口調で読みやすいので、
どんどん読み進んじゃいます。
内容も装丁も、
どちらも美しい本です。
たいせつにしたいです。