「庭の木に鳥がとまっている」
と思っていたのが、鳥類図鑑を見たあとは
「庭の木にシジュウカラがとまっている」
と思うようになる。
つまり、本を読む前と後で
目の前の世界が違って見えているということです。
それと、本を読むと自分がわかることがあります。
読んでいると、著者の考え方に対する自分の考えを持つし、
登場人物と自分との違いを感じたりします。
本好きな人はともかく、
本なんて読まないという人に「へ~」と思ってもらえたら、
というねらいも持った本です。
「読書は失敗のシミュレーションでもある」
っていう言葉も書いてあります。
現実もひどい世の中だけど、
この本の中の状況に比べたら
まだマシなのかもしれない、と感じたり、
自分の人生はかなりひどいけど、
もっとひどい境遇もあるよな~、と感じたりすると
少し開き直る効果があるかも。
筆者永江さんが毎年大学生15人ぐらいと一緒に
本屋めぐりをしている話もよかった。
学生たちは『ぐりとぐら』や『ちいさいおうち』などを手にとって
「子どものころ大好きだったんですよ」
なんて話しているという。
ずっと前に読んですっかりその存在を忘れていた本に再び会ううれしさ、
覚えがあります。
本ってやっぱりいいもんだな・・
と、改めて本への感謝と意欲をかきたてられます。