人と比べてなんで自分ってこんなにだめなんだろう・・
と、落ち込むことはしょっちゅうある。
っていうか、つねにそうだ・・
そんな人を、夢の世界にふっと誘い込んでくれて
なんとなく力づけてくれるおはなしが
『とびらをあければ魔法の時間』
でしょうか。
「わたし」がいつも通るけど降りたことのない駅で
降りて歩いていると
「すずめいろ堂」という小さな家がある。
木の扉に
「注文の多い料理店」の山猫の店みたいな札が
かかっていて
<ためらいはいりません。すずめいろどきです。中へどうぞ。>
と書いてある。
中にはいると
言葉でなぐさめたりするのではなく、
動物たちがふつうに
「わたし」を迎えてときを過ごすのが
かえって心地よく感じます。
大きな字で、小学校1年生にも読める本です。
でも、ゲーテの詩のことばがなにげなく書かれていたりして
おとなはおとななりに味わえる面もあって、
静かに力を運んできてくれる、そんなお話。
で、表紙や本文の絵を描いている人が高橋和枝さんという人ですが
どうも見たことある絵だなー
と思っていたら、思い出しました。
以前に神保町の文房堂さんで見かけて
どうしても買いたくなって買っていた本
『くまくまちゃんのいえ』。
このくまくまちゃんの話も、
くまくまちゃんと
その家を訪ねる「ぼく」との二人(?)の関係が
自然で静かでゆっくりで
とても惹かれたのです。
二人の会話は「あまりはずまない」のです!
でも、「あまりはずまない」のは
悪いことではないんです。
気まずいとか つまらないとかいうことではないんです。
無理してしゃべることが快適なこととはかぎらない・・
そういう関係のほうが好きな二人もいる、
ってこと。
『とびらをあければ魔法の時間』の作者は
高橋さんではなく
朽木祥さんという方ですが
そういえばくまくまちゃんのおはなし読んだなー
と思い出すような似たところがあります。
おとなもたまにこんな童話・・いいですよ。
おやすみ前なんかに最適かも。