読むと心がきれいになる、2ひきのこぐまのおはなし

作者のイーラは、1911~1955ということは、
日本でいえば昭和30年ごろに、
44歳でなくなっているということ。
そのくらいちょっと昔の本なのですが、
おとなの目にはレトロに感じられるところが魅力でもあり。
でも、モノクロ写真が醸し出す森の張り詰めた空気感は
意外なくらい迫力があります。

2ひきの兄弟のクマの姿がモノクロの写真で
しぜんに、しかも驚くほど表情豊かにとらえられています。

まいごになって、森のあちこちを歩いて歩いて
おかあさんを探す2ひきの足どりと、息遣いまでが
伝わってきます。
それに、歩きに歩いているいろんなかっこうをした2ひきの姿が
どれもかわいらしさ満点なんです。

読んでいる人も、2ひきといっしょに森の落ち葉を踏みしめて
ちょっと不安になりながら
初めての道を進んでいる気持ちになります。

いろんな動物に会って
探しているおかあさんについて尋ねる口調が
礼儀正しく美しい言葉遣いなのも
心地いいです。

読後に心がほんとに満たされる絵本です。

 

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