ねこは心の中でこんなにしゃべってる 『ちびねこグルのぼうけん』

農家の納屋でお母さんねこときょうだいたちとくらしていた ちびねこ。
名前はグル。
のどを「グルルル、グルルル、グルルル」って鳴らす音がとっても大きいから。

ある日、町のドラッグストアの家にもらわれていきました。
知っている人も話す相手もぜんぜんいないところで
新しいくらしが始まります。

さっそくグルは散歩にでかけたのはいいけど、
空き缶に前足をはさまれ、ぬけなくなって、
いたくて原っぱから帰れなくなりました。
夜になって、犬が近づいてきます・・・
けがをしたグルはどうなるんでしょう?

新しい家に慣れてきたと思ったら、
ある日、いらいらしたお店のおとくいさんに
店の前からおしのけられたり悪口を言われたりしたので
おこってその人をひっかいてしまったのです。
グルがいるならもう店に来ない、と怒ったおとくいさんに言われ
おじさんとおばさんは困っています。
グル、納屋に返されるピンチ。

ドラッグストアのおじさんとおばさんは、
はじめグルの話すことばをちっともわかってくれなかったけど、
グルは、一人ずつ、ねこのことばがわかる人に出会っていきます。
となりの家のピーター、散歩で出会ったスミスさん・・・

それに、アイスクリーム屋のおじさんも、どうやらグルの友だちになれそう。
なぜなら、紙コップにひとさじのアイスクリームを入れて
グルになめさせてくれたからです。
グルはおじさんの足のあいだを
出たり、はいったり、出たり、はいったりして
親愛の情を思いっきり伝えます。
アイスクリーム屋さんの車がまわってくる時間になると
だれにも呼ばれなくても、ちゃあんと道に出て待っているグル。
もう近所の一員です。

そんなある日の夜、グルの家、ドラッグストアに、
二人組のどろぼうがしのびこみます。
寝る前、グルを農家の納屋に返さなくてはならないことを
相談していたおじさんとおばさんは、
ドアにかぎをかけるのを忘れていたのです。
いつものように台所の赤いクッションの上で寝ていたグルは
あやしい足音で目をさまします。
大ピンチに遭うグル。
グルはどろぼうを追い払うことができるかな?
でも、ねこの力でどうやって?

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