困ったときにかしこければふだんは愚かなほうがいい 『ゴハおじさんのゆかいなおはなし エジプトの民話』

二人組の強盗に会って
「金をだせ。さもないといのちはないぞ」
とナイフを突きつけられた。
そのとき、お金をぜんぜん持っていなかったけど
そんなことを言ったら強盗たちは腹を立てて
ナイフをのどに突き立ててくるかもしれません。
それで何と言うか?
二人を仲間割れさせるために・・

エジプト民話を集めた『ゴハおじさんのゆかいなお話』。
中世からずっと、中東やその近くのイスラム教国の
茶店や浴場、市場などで、
いくつもの国のことばで語り継がれてきた物語です。

ゴハおじさんは空想の人物だと言う人もいれば、
実在だという説もあります。
名前もエジプトでは「ゴハ」、
アラブのいくつかの国では「ジューハ」
トルコでは「ホジャ・ナスレディン」
イランでは「ムラ・ナスルディン」
と呼ばれています。(あとがきより)

一番人気のあるお話は、
日本でもよく知られている
ゴハおじさんと息子がロバをひいて歩いていると
通りすがりの人たちが勝手な意見を言い、
それを気にして言いなりになっているうちに
二人でロバをかついで歩くはめになる、
というあのお話です。

世の中、すべての人に気に入られようとするなんてのは
そもそもむりだ!
ほかの人がどう思うか、気にしすぎるのはやめよう!
っていう。

日常は楽しいほうがいい。
そのためには賢すぎるのはかえってよくない。
賢いことを人にふりかざすのは不幸のもと。

布製の原画を再現した挿絵がほのぼのとした
空気を作り出しています。

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