本は内容のほかにいろんな不思議を連れてくる

本って、内容を読むことはもとより当然として、
一緒についてくるいろんな「作用」があります。
古本好きの人ならなおさら、その謎やミステリーも知っているはず。
この紀田順一郎編集解説『書物愛』は、
本好きならニンマリしつつ身に覚えのあることを
楽しみながらあっという間に読了してしまうような本です。

本というものを愛する(愛しすぎる)がゆえに起こる
恐ろしくもスリリングな出来事、ときには事件が
次々に紹介されているからです。

横田順彌「古書狩り」では—–

人が興味なさそうなある本を、
一途に集めている老人の存在に気づいた主人公が、
自分の蔵書にその本が一冊あることを老人に告白、
老人は、どうしても見たいと言う。
なぜ老人がその本を集めているかという謎は
とけるのだろうか。

夢野久作「悪魔祈祷書」
島木健作「煙」
野呂邦暢「本盗人」
出久根達郎「楽しい厄日」

まだある、まだある・・・

本って、本好きな人を狂わせる魔力をもっているんです。

探求の渦中では脇目もふらずに夢中になって
終わったあとでは、

自分ながらの苦笑いや
次なる興味への邁進や
今回の経験で得た新知識への充実感や
なにやらで、
たいていの場合、満足しているわけです。

そして、この『書物愛 日本篇
などを読んだときには
ああ、こんな「症状」の人もいるんだな・・
と思って、うれしいやらくやしいやら
複雑な気持ちになるわけです。

「古本病」っていう言葉、いいですね。
古本病のかかり方 (ちくま文庫)』ってグッドネーミングで
それだけで買いたくなりますー。

 

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